あるところに王がいた。
王の国は深い森と輝く湖、険しい山と濃闇の谷を抱き、
王はその国の果てにある岩の城で静かに悠久の時を眺めていた。
王は孤独だった。
湖のほとり、断崖の上に建つ城にたった一人で住みながら、
いつ終わるとも知れないこの退屈な時間にほとほと嫌気が差していた。
そこで王は八体の人形を作った。王に代わり彼らが王の国を治めていくように。
栄光の君アマデウス
慈愛の君オルフェーオ
正義の君ヘルガ
信念の君フレッド
勝利の君ビョルン
調和の君イクセル
理解の君セオドリク
そして、純真の君エヴァンジェリン
王に作られた八体の人形は、その志に応えて八人の大臣となった。
※本文と絵は関係ありません。
燎が子供に何かお話をしてと頼まれてこういう適当な話を即興でこしらえるという小ネタがありました。
