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雑記帳

右から二番目の星

 明純と寅姫こと清子。この二人の結婚は世間的にどのくらいのインパクトだったのだろうかと考えてみて、クリリンと18号くらいかな、という結論に至りました(? いわゆる逆玉だけど、(色んな意味で)すげえとは言われても妬まれはしないそんな結婚。まあ、相手の良さは互いだけが知っていれば良いのでしょう。
 以前描きかけてやめた絵に、これとほぼ同じような構図で明純の位置が慶幸のものがありましたが、リベンジのために一から描き直したついでにこの二人に。慶幸は成人して早々に家を出てしまったので寅姫の扱い方も姉と言うよりレディという趣。

 年に数冊ってレベルで驚くほど本を読まない私ですが(マンガも決まった3、4タイトル以外ほとんど買いません)、最近通勤時間を利用して本を読むようにしています。もっぱら小説ですが。今は以前買ったボルヘスの『伝奇集』を読んでいます。『八岐の園』と『工匠集』という二つの短編集をまとめたものなのですが、資料として買ったものなので『八岐の園』のうち、『円環の廃墟』と、以前縣君を描かせていただいたときの記事タイトルにも借用した『バベルの図書館』しか読んでいませんでした。このたび改めて通読しているところです。訳本だからとかそういう次元ではなく読み下すのに苦労しますが、読んでみるとこれがかなり面白いです。なんてすごいことを考えるんだと舌を巻く素晴らしいアイディアの宝庫、この人の着想からいくらでも創作ができるのではないかと思います。世界の秘密が記された本を手に入れたような、誰も知らないことを耳打ちされたようなときめく気分。
 ボルヘスの作品はシュルレアリスムとはちょっと違う、マジック・リアリズムと呼ばれるジャンルに振り分けられることが多いのですが、まさにマジックの名を冠するに相応しい世界です。私の好きな画家のマグリットも、シュルレアリスムともマジック・リアリズムとも言われるので、要するに私の芸術の好みはこのあたりということなのでしょう。

 すでに長くなっているのでひとまず最初の一編、『トレーン、ウクバール、オルビス・テルティウス』について。海賊版の辞書のある一冊にだけ記された「ウクバール」という架空の土地の名前を発見したところから話は始まり、それについての調査・研究報告の体で話は進みます。ウクバールの文学では「トレーン」という世界(宇宙)を描いて、その思想の体系や生活ぶりまで架空を積み上げることで、言葉による一つの世界を作り上げているのですが、ひょんな出来事からどうやらトレーンは実在するらしいという話が出始め、やがてトレーンの存在を示す様々な物の発見によって世界と歴史はどんどん架空だったはずのトレーンに浸食されていきます。そして、やがてすべてがトレーンになることを予言して話は終わります。
 どうしてトレーンが世界に干渉できたかと言うと、トレーンが徹底的な唯心論の世界で、「認識が存在を呼び起こす」ことができる世界だったからです。なくなった物も、記憶という認識があれば記憶からその存在を再創造できる、という具合に。ウクバールという言葉を発端に人々はトレーンを認識し、それについての情報を求めることが更に認識を広げ、トレーンの存在を自分たちの世界に呼び起こしてしまった、というちょっと怖い話です。

 ボルヘスの作品が私の心に刺さる理由のひとつは、幻想文学の中に見える絶妙なSFっぽさにありまして、この作品もシミュレーテッドリアリティと考えるとまた面白い。あるいは平行世界ものの「観測」と絡めて考えても面白い。学生時代はSF研究会に所属していた私としては非常にときめく要素満載です。

 以上、まったく読者を置いてけぼりにしている私が楽しいだけの語りでした。

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